このたび石川県からのご寄附により、災害実践看護学講座が開講されました。本講座は、令和6年能登半島地震、令和6年9月能登半島豪雨の2つの未曾有の災害を受け、被災地に最も近い大学として、平時(防災期)から復興期まで市民の健康維持に資する医療チームの一員として“災害に強い看護師”を育成し、さらに災害看護学発展のための学術研究を推進することを目的としています。
令和6年に石川県を襲った2つの大災害は、住み慣れた地域で医療?看護を受け続ける困難さ、度重なる移動や災害によるコミュニティの分断、中長期にわたる医療?看護の必要性など、今後考えるべきたくさんの課題を私たちに投げかけました。そして、そうした課題に対し、市民に寄り添い適切な支援を考え、実践できる看護職の必要性を浮き彫りにしました。
本講座では、学部教育において、災害実践看護に特化した体系的プログラムにより、災害発生直後の超急性期?急性期だけでなく地域復興や中長期的な健康支援までを考え支援できる看護職を育成します。
大学院教育では、将来の災害発生時や防災に貢献する科学的視座を有した看護職?看護学研究者を育成します。
また、現役看護職が災害実践看護についてより学びを深められる学習の機会として、リカレント教育にも力を入れていきます。
加えて、災害対策に資する医療?看護資源に関する研究や、生活の質(QOL)に着目した避難所運営に関する研究、長期的な健康への影響を軽減する看護ケアに関する研究など、災害実践看護に貢献する研究も行います。
私たちは、被災地に最も近い大学として、常に能登地域の方々に寄り添い復興を支え、将来の災害時にも継続して看護実践できる看護職やエビデンスを創っていく所存です。関係各位におかれましては、益々のご支援、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
2025年4月1日
災害実践看護学講座
教授 木田亮平