地域ケア「避難所指定施設における健康保持のための温度変化の計測と啓発活動」の活動を報告します

2024/05/20

2024年度の事業開始!

 

こんにちは。本事業を担当している心理学教員の松田です。

本事業では、避難所の温度と湿度を1年を通して計測し、より良い過ごし方を模索するための判断材料を創出することを目的として活動しています。

 

きっかけは本年の1月に起きた「令和6年能登半島地震」です。地震が起きたのは1月。私自身は、幸いにも大きな被害を被ることはなかったのですが、テレビをつけると体育館のような広々とした場所で多くの方々が避難生活を送っていました。一目見て、これは大変な寒さだろうということが伝わってきます。牡丹雪が舞う冬空の下、言葉では足りない程の不自由を強いられていることがひしひしと感じられました。

 

さて、本事業では避難所の温度と湿度を計測していくわけですが、それだけにとどまらず、ここで得られる結果を元にして環境に応じた最適な避難所運営を提案いたします。例えば、真夏に災害が起きた場合、避難所の中でもどの部屋を優先的に使ったら良いか?逆に真冬に災害が起きた場合は別に都合が良い部屋があるのかもしれません。部屋に限らず、都合の悪い部屋にも工夫を施すことで避難に適する部屋に変えることができるかもしれません。

 

日本は地球の北側にありますので、夏と冬とで太陽の高さが違い、夏は真上にまで太陽が昇りますが、冬の太陽はやや低いところまでしか昇りません。その一方で、冬は低い太陽の時間が長く、夕暮れ時には強い西陽を長時間受けることになります。

 

この天体の運行による室温の上下動は地上にいる限り必ず生じます。この特徴を利用しない手はありません。室温という観点で考えますと、夏はできるだけ室温を上げたくないので部屋の中に直射日光が入るのを防ぐ。冬はできるだけ室温を上げたいので部屋の中、部屋の奥まで直射日光を取り入れる。このような利用を意識することで、室温を快適なレベルに近づけることができるはずです。

 

実際のところ、日光を切ったり入れたりするという工夫よりも、より都合の良い部屋を季節に合わせて選ぶということになると思いますが、どのような方法を取るにせよ、今ある建物の温度?湿度を計測し、状況を把握しなければ工夫も何も始まりません。

 

本年度はまず、基本的な温度?湿度の計測から始めます!

 

※本活動は石川県立看護大学令和6年度地域ケア総合センター事業と大学コンソーシアム石川2024年度地域課題研究ゼミナール支援事業(復興支援枠)の支援を受けて行われています。