2007年から実施しているJICA日系研修「高齢者福祉におけるケアシステムと人材育成」は、今年度15年目の節目を迎えました。今年度も昨年度と同様にコロナ禍にあり、パラグアイ共和国から研修生を本学に迎え入れることはできませんでした。そこで、今年度も昨年度に引き続き遠隔研修を行いました。3つの移住地から5名の研修生が参加くださいました。参加の研修員は、首都アスンシオンから、前原尚美さん、アマンバイから、宮田マリアさん、大石裕子さん、ピラポから、山崎マリアロサさん、四方志麻さんです。
開講式は、2021年9月2日(火)日本時間の20時(パラグアイでは同日午前7時)にZoomを用いて行いました。研修期間中には、本学教員と羽咋市社会福祉協議会が作成した「介護予防」に関連する動画を視聴していただいたうえで、研修員から質問や感想をメールで受け取りました。その質問や感想に対する回答やコメントを本学教員および羽咋市社会福祉協議会のスタッフが準備し、Zoomで返答しました。Zoomでは、質疑応答のみでなく、移住地ごとの現状報告やパラグアイの状況をお聞きすることができました。パラグアイの日系移住地では、コロナ禍にあり、外出できない高齢者のために、福祉ボランティアの方々が、手作りマスクや手作りおやつを配ったり、家庭訪問や電話訪問をしたりといった活動が行われており、高齢者のことを本当に大切に思われている気持ちがひしひしと伝わってきました。成果報告会に向けた移住地ごとのディスカッションでは、これまでの研修生もZoomで参加くださり、活発に高齢者福祉活動について話し合いができました。
研修最後の成果報告では、コロナ禍でもできる高齢者福祉活動と、コロナ終息後の高齢者福祉活動の具体的なプランが発表され、どの移住地もそれぞれの特色を活かしたプランが作成できました。
閉講式は、2021年9月21日(火)日本時間20時(パラグアイでは同日午前7時)にZoomを用いて実施しました。JICA北陸センターの米山所長から、研修員に向けて修了書授与が画面上で行われました。後日郵送されることになっています。来年度は来日が出来るようになっているのかは誰にもわかりませんが、直接お会いできる日が早く来ることを願っております。本学では、今後もパラグアイ共和国日系社会の皆様との交流を益々発展させていきたいと思います。