第5回多職種とともに考えるがん患者の事例検討会を2024年2月6日(火)に開催しました。zoomを使ったオンライン開催であり、97名の方に参加していただきました。
第5回の事例検討会のテーマは「退院後、在宅支援を断った終末期AYA世代患者の支援を振り返る」であり、ミニレクチャーは「災害時のがん患者の備えと支援」というテーマで、市立砺波総合病院 がん看護専門看護師の平優子さんによって行われました。
事例検討会では、
「医療者が安心?安全につながると思って説明してもうまく伝わらないこともある。多職種スタッフでカンファレンスをしながら進めた経験がある。」
「退院直前ではなく、入院中から訪問診療へ繋ぐと在宅医療への切り替わりがうまくいくこともある。」
「医療者にとって、終末期の患者には特別なことと思えることも、患者本人にとっては普通のことという感覚がある。今回はCNSが関わったことで患者が本音をぶつけることができたので、よい関わりだったのではないか。」
と意見交換されました。
ミニレクチャーでは、講義後に各施設?地域での被災状況や医療支援の実態が報告されました。
「既往歴も服薬情報もわからない方を受け入れるので、その情報収集に苦戦した」
「レセプトの情報や、IDリンクを活用して情報を得た」
「家族が避難した地域の病院に、患者を受け入れるという采配をした」
「救命が最優先の中、がん看護のことまで手が回らないのも現状であった」
「2次避難先で体調を崩し、検査をしたらがんが見つかるといった事例もあった」
「自分自身は被災していないけれど、通院している病院が災害拠点病院ということで、この先の治療をこの病院で続けられるのか不安だ、という声があった」
と報告がありました。
<参加者の感想>
?災害拠点病院として石川にうかがいました。がんに関わる情報はなかなか得られていなかったので、今回の会での学びをもとに災害時への備えを整えたいと思います。
?がん患者が抱えている思いや考え方だけでなく、それに向き合うCNSの行動や考え方が学ぶことができて良かった。この患者さんが言った、看護って何ですか?この言葉が印象に残りました。
?これまで表出が少なかった患者さんに対して、現実を突きつけるような言葉に聴こえたのですが、そのICで患者さんやご家族が正しく現実を理解でき、自分の思いを表出できるようになったのかと思うと、今までの自分の考えががらりと変わりそうに感じました。患者にとってのあれがしたい、これもできるし、といった感覚はまだできている人にとっては当然の思いであるし、その時に未来のことを言われても考えられないのは、本当にそうだなと思いました。涙を流せてすっきりした自分もいます。
?最後の意見交換を聴くだけでも他施設の状況がわかり参考になります。地域の状況を知りながら当施設の役割が果たせるよう考えていきたいと思います。
第6回は、3月5日(火)17:45~ zoomによるオンライン開催を予定しております。
今年度最後の開催となります。開催日の約2週間前に、詳しいテーマをHP上でお知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。