本学附属地域ケア総合センター事業 地域連携事業の1つである「認知症世界の歩き方ダイアログ」を開催しました。
認知症世界の歩き方ダイアログは、参加者の皆さんが認知症のある方ご本人の目線で日常生活に起こる困りごととその背景を知り、参加者同士で対話をしながら理解を深めることを目的とした対話型のゲームです。
1.金城大学 看護学部2年生 出前授業
日時:2023年1月31日(火)9:20~12:00
参加者:14名(大学生、教員)
<参加者の感想(一部抜粋)>
?物忘れや徘徊がメインであるイメージだったけど、感覚なども変化することを知りました。また、ゲームを通して多くの認知症の症状を知ることができた。
?認知症の症状は人によって異なり、様々な症状があるのだとカードを見て具体的に知ることができました。
?自分の周りにいる認知症の人に対しては、個々の認知症の症状?状況を理解することに努めたいです。その上で,その方にとって何が良いのかステレオタイプの考えを脱したいです。暮らしやすい社会としては、自分が理解していることを周囲の人に伝える勇気を持つことが大切と感じます。
?色々な症状があり理解するのが難しいと考えていましたが、項目別で具体的にどんな症状になるのかを考えると、認知症の理解がしやすくなりました。認知症は、この症状であると断言するのではなく、その人その人の症状や状態をしっかりと見て、その人がどのようにすれば苦しまずに生活できるかを考え、サポートしていけるように行動したい。
?生活でのさまざまな障害に直面し、本人も本当はしたいのにできないため葛藤しているという点で、周囲の人達は本人がやりたいこととできることを理解した上で認知症の方を否定したり、必要以上に何もかも制限したりしすぎていないか気をつけて、本人の意思も尊重した上で関わり合っていくことが大切だと思った。
2.かほく市 いきいきステーション 地域公開講座
日時:2023年2月1日(水)13:30~15:00
参加者:22名(男性6名、女性16名)
地域の元気な高齢者の方を応援する「かほく市いきいきシニア活動推進事業」で地域公開講座として開催しました。
当日は、断水回復直後、雪の舞う日でしたが多くの方にご参加いただきました。外出機会として楽しんでいただけるよう、対話の時間を多く設けながら進めました。
「楽しかった」「いいゲームだね」「進行のタイミングが良かった」など前向きな感想をいただきました。実際に、開催中も映像が終わる前に立ち上がり、熱中されている姿が印象的でした。
3.地域公開講座(七塚生涯学習センターでの開催)
日時:2023年2月23日(木)9:55~11:45
参加者:7名(中学生、大学生、一般)
<参加者の感想>
?認知症に対して、その人自身が何を考えているのか、どう接したら良いのかなど分からないことが多く、関わることが怖いというイメージがあったが、参加してみて、様々な困りごとを考えることができ、その人のできることとできないことを理解することで、周りの人としても助けられることが増えると考えた。
?認知症の方自身は、普段できていたことが急に衰えていったり、忘れてしまったり他者から嫌な顔をされたりとても精神的につらいだろうなと思った。差別や偏見などはせず、もっと「理解」できる人間になりたいと感じた。
?当事者にとってはおかしいなと思いながらも、症状、困りごと自体が真実であることが理解できた。入浴を拒否したり、物盗られに固執したり、認知症の方によくみられる行動がなぜ起こっているのかわかった。
?参加する前は、認知症というと人の名前が分からなくなったり認知機能が低下する病気だと思っていたけれど、五感が敏感になったり鈍感になったりする症状も出てくることが分かった。また、人によって症状が異なることや、若年者でも認知症になってしまう恐れがあることを学ぶことができた。認知症の方が暮らしやすい社会を作っていくためには、家族だけではなくて地域全体で支えていくことが重要であると感じた。
?今日使ったカードでは認知症の方自身も自分の状態を把握できるし、家族も何ができて何が困っているのか理解できていいなと思いました。カードゲームとても楽しかったです!
中学校や高等学校、町内会等での出張講座も可能です。また、オンライン版も実施できます。