1.事業の目的
パーキンソン病ではリハビリテーションが病状の進行予防に有用であり、同病の患者同士の情報交換も病状把握や治療の自己決定において重要です。本事業においては、リハビリテーションを楽しく体験してもらい、リハビリテーションへの参加意識を向上させること、また、パーキンソン病患者に対し、お互いに情報を共有する場や疾患に関する情報発信の場を提供することを目的としております。
2.実施内容
1 「第4回 パーキンソン病いきいきリハビリ教室」
開催場所:七尾市矢田郷地区コミュニティーセンター(多目的ホール)
開催日時:2023年7月30日(日) 10:00~12:00
講演:訪問看護ステーションみなぎ コミュニティナース虹色ケア
中村悦子先生
「演題目:地域栄養ケアを極める!~活き活きと生きるためにできること~」
リハビリ教室:訪問看護ステーションみなぎ コミュニティナース虹色ケア
稲葉長彦先生
「明日からすぐにできる!~元気いっぱいパーキンソン体操~」
懇親会?相談会:中村悦子先生、稲葉長彦先生、脳神経内科専門医による質疑応答
参加者人数: 24名
パーキンソン病患者および家族: 11名
医療関係者(看護師、PT?OT、医師): 6名
講師: 2名
デリソフタースタッフ: 1名
看護大スタッフ: 4名
(1名の学生ボランティア学生を含む)
輪島市や羽咋市で施設長を務め活躍されている中村悦子先生から地域医療の立ち上げから運営、神経難病等への支援についてお話を伺いました。栄養管理のみでなく、食形態の重要性についてもお話があり、食べ物の形を保ったまま軟飯やミキサー食と同様の柔らかさ、食べやすさを可能とした食事についても紹介していただき、実際に試食も行うことができました。PD患者さんからは、口の中に入れた瞬間にほぐれ、味も保たれた状態で調理された食事の試食に関心をもたれ、喜びの声も聴くことができました。在宅医療における食事に関し参考となる講演でした。講演後は、パーキンソン病患者が自宅でもできるリハビリ体操を行いました。無理なく毎日継続して運動を続けることの重要性と実際に楽しく体を動かすことができる体操の紹介をしてもらい、能登地区におけるリハビリの啓発を行うことができました。
交流会では地元の脳神経内科医の参加もあり、在宅で療養を行う際の注意点や服薬に関する質問に答えていただいております。
2 「第5回パーキンソン病いきいきリハビリ教室」&「第20回パーキンソン病体操教室」
実施日時:2024年 1月 21日(日) 10:00~12:00
開催場所:金沢市文化ホール(大集会室)
講演: 順天堂大学脳神経内科教授 服部信孝先生
演題目:パーキンソン病治療の明るい未来を語る
リハビリ教室: KMCとPDハウスのリハビリスタッフによる合同リハビリ教室
懇親会?相談会:脳神経内科専門医、LSVT資格のあるリハビリスタッフによる質疑応答
参加者人数: 81名
患者および家族 66名
石川県立看護大学スタッフ 9名
(6名のボランティア学生を含む)
KMCスタッフ 3名
講師 3名
*LSVT:パーキンソン病に特化したリハビリテーションを行うための資格
2024年1月21日(日)に金沢文化センターにて「第20回パーキンソン病体操教室」(金沢医療センター)と「第5回パーキンソン病いきいきリハビリ教室」(石川県立看護大学地域ケアセンター)を合同で開催しました。看護大学の学生6名のボランティアを含め総勢81名(予定)が参加がありました。このリハビリ教室では、世界で教授のパーキンソン病研究おより治療におけるトップバッターでおられる順天堂大学脳神経内科の服部信孝先生をお招きして講演「パーキンソン病治療の明るい未来を語る」を拝聴することができました。
最新の血液を用いた診断法、パーキンソン病の薬物療法やデバイスを使用した治療法の紹介のほか、前向きに生きることが何よりも進行を予防することに有用であることのお話がありました。また、パーキンソン病に関するベンチャー企業を立ち上げており、その中で症状を安定させる薬の開発が数年で終了することも話をされ、患者さんに希望を与えておりました。
昨年度のリハビリ教室で好評であったPDハウス小坂の柳先生と田川先生によるリハビリ指導でパーキンソン病に特化して開発されたLSVT○RBIGのリハビリを実際に行いました。また、金沢医療センターの音楽に合わせたリハビリも行うこともできました。相談会は、日頃の療養で疑問に感じることや療養で気を付けるべきことなどの質問があり、服部教授よりお返答をいただきました。