共同研究講座ウェルビーイング看護学

講座主任挨拶

共同研究講座教授
松本 勝

 この度、令和6年4月1日付けで開設された「共同研究講座ウェルビーイング看護学」の共同研究講座教授を拝命しました、松本勝と申します。共同研究講座ウェルビーイング看護学では高度な医療?介護ニーズを有する在宅療養者がウェルビーイングを実現し、最期まで尊厳をもって自立できるための医療機器?福祉用具の開発と実装を産学連携で行い、特に在宅療養高齢者の幸福寿命を延伸するウェルビーイングホームケアの確立を目指しております。

 超高齢社会となった本邦では、地域包括ケアシステム構築の推進により医療の場が病院から在宅?施設にシフトし始めています。石川県の奥能登地域のように高齢化率が40%を超えるような過疎地も増加しており、今後は医療的ニーズをもちながらも在宅で療養する高齢者がますます増加することが予測されます。このような在宅療養者の多くは加齢による機能低下によりベッド上の生活が長くなり、いわゆる「寝たきり」となってしまいます。寝たきりによって局所の圧迫による褥瘡発生、活動量低下による廃用症候群が引き起こされるため、予防を目的として車いす等に座るという対処が行われますが、かえって「座りきり」になってしまうこともあり、座りきりによる弊害も生じます。この状況を放置すれば、症状の悪化、健康寿命?幸福寿命の短縮、QOLの低下といった諸問題につながります。医療や介護のマンパワーが不足する中、在宅療養者が寝たきりや座りきりの問題を回避しながら安全で快適な生活を送るためにはセンサ技術?ICTを活用したモニタリングや異常を早期発見するAIなどによる新しいホームケアシステムの確立が欠かせません。

 本講座では、看護学?理学療法学を専門とするメンバーを中心に、産学連携により在宅療養者のウェルビーイングホームケアを実現するための医療機器?福祉用具の開発と実装を行います。関係各位におかれましては、益々のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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